自治体議員に聞く!『若者の政治参加』インタビュー4:自由民主党・鈴木太郎横浜市会議員

取材・対談

筆者(栗本拓幸)は、「若者の政治参画」に関して横浜市会(市議会)戸塚選挙区から当選された全ての議員の皆様に申し入れを行い、インタビューを実施しました。

今回は、平成31年(2019年)4月19日に行なった、鈴木太郎横浜市会議員(自由民主党・横浜市連筆頭副幹事長)へのインタビューの様子をお伝えします。


鈴木太郎横浜市会議員公式サイトよりキャプチャ

栗本)この度はお忙しい中お時間を賜りまして恐縮です。よろしくお願い致します。
鈴木さん)こちらこそよろしくお願い致します。

Q1 2015年の公職選挙法改正に伴う所謂「18歳選挙権」の実現と学校現場における「主権者教育」に関して、鈴木議員ご自身のご見解として、現状をどのように評価しているか、お聞かせください。

栗本)今回の統一地方選挙は、いわゆる18歳選挙権実現以降初めての統一地方選挙となりました。一連の選挙運動、あるいはそれに関する政治活動などを通されて、鈴木先生が18歳選挙権に関してどのようにお考えでしょうか。

鈴木さん)18歳選挙権は法律でそのように決まったので、単に選挙権のある人たちの対象が変わったという受け止めをしています。前回の参議院選挙(注:2016参院選)が大きな選挙では初めてで、傾向として18歳の投票率は高くなった一方、19歳の投票率が低くなったという結果が出ていますよね。

栗本)18歳、19歳の間に顕著な投票率の差が出ています。

鈴木さん)この参院選での結果は、高校での主権者教育がかなりなされた影響だと受け止めています。今回の統一地方選挙の場合、そこからまた年数が経っていますから、それなりの投票率の値が出るのではないのかとは考えています。勿論、これはまだ集計がされていないので、18歳・19歳のそれぞれの投票率がどうなるのかは分かりませんけれども、いずれにせよ、高校での教育が重要という様に思っています。私に関しては、18歳選挙権がスタートして、最初の統一地方選挙だからと特別なことを何かしようとは考えずに選挙に挑みました。

栗本)鈴木先生が一連の選挙活動を通して、若者の政治参加の意欲が高い、あるいは低いなとお感じになられたシーンなどございますか。

鈴木さん)地方選ですから、年齢に関わらずさほど関心は高くないと思っているので、年齢云々ではわからないです。

Q2 「若者」の役割に関して、鈴木議員ご自身は如何にお考えか、お聞かせください。

栗本)問2に移らせていただきます。昨今ではシルバーデモクラシーといった言説があります。私自身は必ずしもその立場には与しませんが、その様な中で、例えば若者ならではの視点ですとか、あるいは発想というものがあるかと思うんですね。そういったことに関して何か鈴木先生がお考えをお持ちであればお伺いしたいのですが。

鈴木さん)18歳・19歳を除いて、基本的には年代別で言えば20代の投票率が一番低くなっていますから、その世代の皆さんには、是非関心を持って投票していただければありがたいとは思っています。

栗本)20代の投票率の低さは特徴的なものがありますね…。

鈴木さん)一方、税金の使い方を我々議員が総意で決めているんですけれども、そもそもやはり若い方に負担感が小さいので、なかなか関心が寄せられないだろうなということは感じてはいるんですよね。他方、より現実感を持っている年代の人たち(高齢の方々)が、自分たちにとって納得感のある決定を求めているのだとすれば、若い人たちにはその時点では負担感がないにしても、想像力を持って考えてもらえるといいかなとは思いますけどね。若い皆さんが、何か知らないところで自分たちが不利にされていると思うのであれば、しっかりと政治に参加する、少なくとも投票に行くことで意思を示すことが大事なんじゃないかなとは思います。

栗本)特に横浜市会ですと、全議員さんの中で、平成30年の7月段階で一番多い年代が50代の方々だと記憶しています。鈴木先生ご自身は、年代のある種の偏り方が適切だとお考えなのか、もう少し幅広い年代の方々が議員として参加するべきなのか、何かお考えはございますか。

鈴木さん)それは本来多様な主体が存在している方が良いと思うので、そう(幅広い年代の方々が議員として参加する)なればいいんですけれども、しかしそう定められるものではないのでなかなか難しいですね。

栗本)ありがとうございます。

Q3 日本における「若者の政治参加・参画」の現状は、既に充分であるとお考えですか。仮に、まだ充分でないとすれば、どのような部分が不足しているとお考えでしょうか。鈴木議員ご自身のご意見をお聞かせください。

栗本)若者の政治参加の現状、それこそ投票率や主権者教育含め、現状で十分だとお考えか、あるいは不十分であるとお考えか、あるいは鈴木先生ご自身がどういったところまで投票率ですとか様々なものが進んでいくと良いとお考えなのか、お伺いしたいなと。

鈴木さん)投票率に関して、年代による差はない方がと良いと思います。投票率というのはやはり一つの目安にはなるので、そこでベンチマークしていくのは大事だと思うんですよね。

栗本)おっしゃる通りです。

鈴木さん)ただ、選挙に行く「きっかけ」がないと、なかなか(政治に関する関心に)入っていけないだろうなと思うんです。それこそ、こういった事を研究されていらっしゃるのであれば調べていただけるといいと思うんですけれども、選挙権を有して最初の選挙に行くか行かないか、この事柄が、後々の政治参加や投票行動に影響しているんじゃないかなと僕は思っています。

栗本)肌感覚ではありますが、僕自身も同様の考えを持っています。それらに相関関係はある様に考えています。

鈴木さん)やっぱり相関はある様な感じはしますよね。仮にそうだとすると、やはり高校における(主権者)教育が重要とは思います。

栗本)鈴木先生は今の日本における主権者意識の涵養、その様な教育は十分だとお考えですか。それともどういった部分が不十分だと思いますか。

鈴木さん)やらないよりはやった方が良いと思うんですよね。結構、「模擬投票」をはじめとする取り組みが行われているじゃないですか。まさに選挙権年齢が18歳になってから、色々なことが始まっていますよね。

栗本)ご指摘の模擬投票をはじめ、選挙管理委員会やNPOと連携した出前授業など、様々な取り組みが進んでいます。

鈴木さん)「主権者教育はこうじゃいけない」という事は、多分みんなわからないと思いますが、それはそれで構わないと。ただ、様々な取り組みの結果が、前回の参院選などでも明確に出たと思うので、今後も何かしら取り組んだ方がいいとは考えています。今では様々な団体が出てきていますし、取り組んでいる方達も結構いらっしゃいますから、どんどん進んでやって頂けたら良いんじゃないかなと思いますけどね。何れにせよ、きっかけが大事ですよね。

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