国政政党・会派に聞く!『若者の政治参加』インタビュー1:立憲民主党・中谷一馬衆院議員

取材・対談

筆者(栗本拓幸)は、「若者の政治参画」に関して国会に議席を有する全ての政党・会派に申し入れを行い、各政党を代表する国会議員の皆様にインタビューを実施しました。

今回は、平成31年(2019年)3月6日に行なった、中谷一馬衆議院議員(立憲民主党・青年局長)へのインタビューの様子をお伝えします。


中谷一馬衆議院議員(公式ホームページよりキャプチャ)

栗本)この度はよろしくお願い致します。

中谷さん)こちらこそよろしくお願いします。

Q1 2015年の公職選挙法改正に伴う所謂「18歳選挙権」の実現と学校現場における「主権者教育」に関して、党ないしは党青年局としての、また中谷議員ご自身のご見解として、現状をどのように評価しているか、お聞かせください。

中谷さん)僕自身、選挙権年齢は、被選挙権年齢は若いほど良いと言ったら言い過ぎですけど、全然世界の潮流と比べた時に日本の年齢は高い水準にあると思うので、より引き下げても良いんじゃないかなと思っているぐらいです。

栗本)主権者教育に関してはいかがですか?

中谷さん)主権者意識に関する教育が少しずつ進んできてますけれども、実は神奈川県は、2015年以前から全国に先駆けて、公立高校でのシティズンシップ教育の導入をしていたんです。ただ、正直なところ、上手く進んでいったという印象はあまりありません。なぜならば、みんなが受験勉強とかで忙しいシーズンに、合間を縫って、主権者教育をやるわけですね。

栗本)確かに、18歳の高校生は受験勉強に没頭している場合も多いですよね。

中谷さん)現状では、それ(主権者教育)の成果として、生徒の皆さんが自分の考え方とかを述べることが出来るようになったとしても、その子達がそのあとの受験などに、その力を活かすことが出来る制度に、仕組み自体がなっていないですよね。であるからこそ、やっぱり勉強としては薄くなっちゃっているのかなと言う印象があります。

栗本)少なくとも、大学の入学試験では、論理的思考力などの力を問うのではなく、知識量を競うものが大半だと思います。

中谷さん)主権者教育もそうだし、法務的な教育も、あるいは消費者教育も、様々な領域が絡む『シティズンシップ教育』をしっかりと展開していくというのであれば、それを深く学べた人たちは、次のステップ、例えば大学の入学試験で、きちんと評価をされるような仕組みにしていく必要があると思います。

栗本)昨今はAO入試の様な制度もあります。

中谷さん)慶應SFCなどのAO入試であれば、確かに使えるのかもしれません。ただ、現段階では筆記試験まで反映されてはいませんよね。そういうところの在り方も含めて考えていった方が良いんじゃないのかなと思いますね。

栗本)神奈川県では「主権者教育」と言われるものが進んでいるとされる地域であるとされていますけれども、なかなか実際の投票率などにそもそも相関があるか、なかなか厳しい状況にあるというのが非常に…

中谷さん)現場を何回も見ていましたけども…。まず先生がだってどうして良いのか分からない。しかも、カリキュラムの中に無理やり取り込んでやるモチベーションも先生・生徒ともに一般的には高くないと思います。勿論、それでも熱心にやっていらっしゃる方々もいますが、全体的には、それに参加する意義だったり意図、自分の中にそれがインセンティブとか感じる事が出来ていないのではないかと思いますね。

栗本)「○○教育」というもので、現場の先生や生徒の皆さんも疲弊気味な部分があることも否めません。

中谷さん)様々な教育施策に関して、本当に大事だと思うのであれば、その後生きていく中で、教育を通して得たものが、自分の中で「分かり易く活きる」ことを感じることが出来る様にすることも必要だと思います。勿論、主権者教育に関しては、取り組み自体が生産的に進んだので、非常に意義のあるものだったと思います。何より、第一歩を踏み出したことが評価されるべきだと思います。

Q2 民主主義社会における「若者」の役割に関して、中谷議員ご自身は如何にお考えか、お聞かせください。

中谷さん)やっぱりその、時代を大きく動かす時っていうのは、このまま力っていうのは振り返っても大きな役割を果たすのではないかと思っていて… 。

栗本)いわゆる「若者の政治離れ」とか、場合によっては「政治の若者離れ」と言った、様々な言い方がされています。若者が、どちらかというと社会から疎外されている部分もあると思うんですね。そういった現状を考慮した上で、本来は社会的に若者はどういった役割を期待されているのかなと。

中谷さん)明治維新の頃なんかはやっぱり高杉晋作、吉田松陰、坂本龍馬、彼らが活躍したとされる時期は20代で。若い世代が活躍していた時代ってあると思うんですね。旧体制を改革する中で迫害をされると言った、様々な苦労があった、でも彼らなりの志があって時代を変えようと思って動いていった訳ですよね。こうした歴史は私たちにも馴染み深いものと思います。

栗本)おっしゃる通り、幕末の志士たちは皆若くして活躍していました。

中谷さん)やっぱり若者が持つ「エネルギー」や「原動力」をもっと社会に対して若者自身が発信していくことをやっていかないと、物事は動いていかないんじゃないかなという心配をしています。

栗本)政治の分野で若者のエネルギーを発信している例は多くないですよね。

中谷さん)多分僕とか、栗本さんというのは、そういうものに対して非常に熱心にやってきた若者の一人なんじゃないかなと思っています。ただ、今興味関心のない若者に対しても、熱を伝導させていくのかということをしっかりと考えていかなければならないと思っていますね。

栗本)僕自身、ギャップを日々感じるところがあります。

中谷さん)僕自身もかつては、政治に何も期待していないし、今の政治家に何言ったって変わらないという若者でした。けれども、そんな不平不満ばかりを口にしていても何も変わらなくて。「あいつが悪い」「こいつが悪い」と言っていても世の中ちっとも良くならないので、自分たちで切り拓かなければいけないっていうことを、一人ひとりが自覚をして行動することが若者たちに求められているのではないかと思いますね。

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