国政政党・会派に聞く!『若者の政治参加』インタビュー3:公明党・高瀬ひろみ参院議員

取材・対談

筆者(栗本拓幸)は、「若者の政治参画」に関して国会に議席を有する全ての政党・会派に申し入れを行い、各政党を代表する国会議員の皆様にインタビューを実施しました。

今回は、平成31年(2019年)4月11日に行なった、高瀬ひろみ参議院議員(公明党・学生局次長)へのインタビューの様子をお伝えします。


高瀬ひろみ参議院議員(公式ホームページよりキャプチャ)

栗本)この度はお忙しい中お時間を賜りまして恐縮です。よろしくお願い致します。

高瀬さん)こちらこそよろしくお願い致します。

Q1 2015年の公職選挙法改正に伴う所謂「18歳選挙権」の実現と学校現場における「主権者教育」に関して、党ないしはまた高瀬議員ご自身のご見解として、現状をどのように評価しているか、お聞かせください。

栗本)2015年に公職選挙法が改正されて、18歳選挙権が実現しました。18歳選挙権の実現に伴いまして、いわゆる主権者教育というものが高等学校で始まりましたけれども、そういった一連の流れに関して、高瀬先生ご自身はどのようなご見解をお持ちですか?

高瀬さん)私の3年前の参議院議員選挙が、ちょうど国政としては初めての18歳選挙権が適用された時でした。当時は18歳の方を対象に、各政党の候補者が並んでの議論の場を作っていただくといったことも国政として初めて行われた時でした。

栗本)そうですよね。

高瀬さん)高校生の方も大学生の方もみなさん関心を持って、いろんな学生団体の方が政策を聞きに来てくださり、主権者教育は広がっているなとすごく感じます。まさに、様々な学生団体の方と接する機会が増えているなと感じていまして、ありがたいことだなと思います。

栗本)今回もこの様な機会を設けて頂きまして、ありがとうございます。

高瀬さん)ただ一方で、今の高校では、主権者教育を代表例に、教えなければいけないものがたくさんありますよね。私が党で関わらせていただいているもので言うと、例えば、奨学金も含めて18歳で大学に入ると自分でファイナンスのことを考えなくてはいけなくなりますよね。そういった意味で、キチンとお金の回し方を教えなければいけない。あるいは女性に対する性暴力が増加傾向にある中で、女性自身が自分の身を守っていくための教育も小中段階からきちんとやっていただく必要がありますよ。こうした様々な「教育」が現場に降りていることも事実なんですね。

栗本)確かに、教育現場では「○○教育」というプログラムが多く存在していますよね。

高瀬さん)様々なことを教育現場で教えなければいけない中、主権者教育というのも先生方にやって頂く事になっているからこそ、ばらつきがある現状になっていることは事実だと思います。すごく熱心に取り組んでいる高校もあれば全くなされていない高校もあります。ただ、それであっても、十分に主権者教育を受けられた学生さんは目が変わると思いますし、政策などに関して、自らの意見を明らかにすることもできるようになると思うんですよね。ただそれが全国一つ一つの高校で広がっているかというとまだまだですよね、そこが今後の課題なのかなと感じています。

Q2 「若者」の役割に関して、高瀬議員ご自身は如何にお考えか、お聞かせください。

栗本)ありがとうございます。少し話が変わりますが、日本社会における若者に、高瀬先生が期待することを伺いたいです。

高瀬さん)自分の経歴として、外交官として10年海外にいたこともあり、離れたところから日本を見てきましたが、とにかく政治に関心がない日本の若者を凄く不思議に思っていました。私自身も日本の若者でしたけれども、同学年の人たちとかを見るとそんなに政治には関心がない。勿論、それは日本が平和であり、経済的にも一定の水準があるからこそ、政治に対する関心が低くても大丈夫という面もあるとは思います。ただ、そうした中、少子高齢化が進み、日本の「借金」もそうですし、今後の世代の方に負担になってくる課題は多くあると思っています。

栗本)これまでの様に、若者が政治に関して無関心であり続けて良い状況ではなくなりつつある、ということですね。

高瀬さん)そもそも選挙とは『(日本の将来を)どの人に託していくのか』という視点から人を選ぶものです。だからこそ、若い方の声がもっともっと反映されていくことが大事になると感じています。

栗本)それはどういった観点からですか?

高瀬さん)今の選挙戦を見て頂くと、圧倒的に高齢者の方が選挙に行かれていますよね。私たち公明党は違いますけれども、やはり「票を取る」という角度から見たときに、どの年齢層に向けた政策の中身を増やすと票が取れるのか、という目でみてらっしゃる政党さんも間違いなくあります。その中、若い人たちが選挙に行かないことで、若い人たちに向けた政策が全体的に少なくなっているということは事実だと思います。だからこそ、若い方に選挙に行っていただきたいなと凄く思っています。

栗本)仰る通りだと思います。一方で、政治家の皆様方の取り組みも大切になってくるのではないでしょうか?

高瀬さん)私達も若い方に選挙に行って頂ける様に、分かり易く話していく、伝えていくことが大事になると考えています。例えば各候補者の地元講演会だったり、私自身のこれまでの活動に関する講演会だったり、実際に伺ってみると、やはり難しい言葉で話していることが多いなと感じることも少なくありません。

栗本)政局に関する、政策に関する用語は得てして「専門的」になりがちですよね。

高瀬さん)個人的には若い方も聞いていただいて、「なるほど」と納得してもらえる様に、分かりやすい話を分かりやすい例えを交えながら話していこうという事を実践しますが、全体としてそういうことがもっと必要なのかなと思います。

栗本)分かりやすく噛み砕いていくだけでも、難しい場面がありますよね。

高瀬さん)これは私自身が凄くストラグルしているところなんですけれども、じゃあ若い人にリーチアウトしたい際、例えば地元講演会をどこかの市民ホールでやります、ということではやっぱり来ていただけないんですよね。

栗本)講演会に足を運ぶだけのモチベーションはなかなか生まれないと思います…。無論、純粋に興味がないという話だけではなく、開催日時などの条件にも大きく左右されますよね。

高瀬さん)若い方にどうすれば私たちの伝えたいことが伝えることができるか。その中でも特に「SNS選挙」と言いますか、SNSを如何に活用していくか、私自身も試行錯誤しているところでもあるので、ぜひ栗本さんからもご意見をいただいて反映していきたいと思っています。

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