AO入試を考える:「森を拓く」プロジェクト

その他

大学入試というと、学科試験の1発勝負というイメージをお持ちの方も少なくないかもしれませんが、昨今では「AO入試」という入試形態も一般的になりつつあります。

そもそも、今日の各大学においては「3つのポリシー」を定めています。

  • ①卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)
  • ②教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
  • ③入学者受入れの方針(アドミッションポリシー)

これらのポリシーを策定する重要性は、昨今の急速な社会変化・革新の中で有為な人材を輩出する機関としての大学を再構築する事を目的として、『学士課程教育の構築に向けて(2008,中央教育審議会答申)』や、『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(2012,中央教育審議会答申)』などの中で指摘されてきたものです。文部科学省はそうした答申を基に、2017年4月1日施行の学校教育法施行規則の改正を通して、各大学にこれら『3つのポリシー』の策定を事実上義務付けました。

そしてAO入試とは、各大学の定めるアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)に適合する人材を選抜する事に主眼をおいた入試形態であり、従来の学科型入学試験とは、その対策や試験内容の在り方が大きく異なっています。原則として、志望理由書や何らかの論文、志願者に関するポートフォリオの提出が求められる事になります。

総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」に拘る学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍する事を期待します。従って入学試験の重要な判定基準は、自主的な思考力、発想力、構想力、実行力の有無です。「SFCでこんな事に取り組み学びたい」という問題意識に基づいて、自らの手で未来を拓く力を磨く意欲ある学生を求めます。

各学部における3つの方針(慶應義塾大学)

本来であれば、志願者自身がポリシーに適合する事を書類や面接などの内容を通して明らかにする方法は、各志願者によって異なるはずです。しかしながら、少なくとも「ビジネス」としてAO入試の対策を行う塾・業者の中には、合格者の書類における主張などを基に、各志願者の書類・面接等における主張に「型はめ」を行い、本来のAO入試の在り方とはかけ離れた形で合格者を輩出し続けているものもある事が現状です。

筆者自身は慶應義塾大学総合政策学部にはAO入試を通して合格していますが、私自身のAO入試の在り方の理想とそうした業者が蔓延する現状の落差に、少なくない失望と憤りを感じてきました。

今回の「森を拓くプロジェクト」は筆者自身の問題意識を基に、筆者(栗本)が志願者の自主性を引き出す立場として、志願者の皆さんのAO入試に関するアドバイザリーを行なっていくものとなっています。従って、筆者自身が志願者の皆さんに何かを押し付ける事は当然ありませんし、こちらから積極的にアドバイザリーを行う事はありません。あくまでも傾聴と対話をベースに、志願者の思いや考えのファシリテーターをになっていきます。

過去の実績等に関しては、前述の資料の中に記載をしております。前年度は慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部・法学部、早稲田大学社会科学部に合格された皆さんにアドバイザリーを展開致しました。今年度も既に、前年度を上回る人数の皆さんと向き合い始めています。

もしご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、本ホームページのお問い合わせ欄から、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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