【この隅】邦人解放から考える国家の責務とその幻想性

この○○の片隅から

トークラジオ「この○○の片隅から」、今回はジャーナリスト・安田純平さんの解放に際して、様々な報道媒体やインターネット上で見られた「邦人の行為に関して、国家はどこまでその責任を負うべきか」と言う議論テーマについて議論を行いました。

近代以降、「国民国家」という概念が成立し、国家という単位が国際社会における基本構成の因子として機能してきましたが、いわゆるグローバリゼーションによって、国境線が曖昧になり、特に経済活動に関しては超国家的な企業体がその主導権を握るなど、国家の存在意義はより一層不明瞭になりつつあります。

そうした流れの中で、今回の解放事件の際に「国民」の「定義」を明らかにしようとする試みがあったこと、ないしは「国家」も「役割」を議論しようとしていたことは、そうした不明瞭さに対するある種の反動に近い行為なのかもしれません。