国政政党・会派に聞く!『若者の政治参加』インタビュー3:公明党・高瀬ひろみ参院議員

取材・対談

こぼれ話ーアメリカ政治と日本ー

栗本)政治参加というと、アメリカでは2016年の大統領選挙然り、昨年の下院選然り、若い人たちが積極的にキャンペーンに携わっている印象もあります。外交官としての経験もお持ちの高瀬さんは、どの様に見ていらっしゃいますか?

高瀬さん)かつては大きな支持基盤とか政党とか資金がないと選挙に出る事が出来なかった訳ですね。ただ、最近はトランプ大統領は勿論ですし、この間の中間選挙でもニューヨークでもオカシオ=コルテスという若い女性が当選しています。オカシオさんはバーテンダーだった訳ですよ。そういった方々が立候補して、(選挙に)通って、今までとは違う流れが起こってきていることが面白いなと思って見ています。

栗本)“AOC”という愛称で知られるオカシオさんにせよ、トランプ大統領にせよ、従来の立候補者とは違うバックグラウンドも持つ方々に注目されていらっしゃる訳ですね。

高瀬さん)多分、日本もその様な流れになっていくと思っています。今回の統一地方選挙を見ていても、若い方と女性の割合がものすごく増えたなという印象があります。ツイッターとかを見ていても、フォローしている方が、政治に関心が高い方々が多いことを差し引いても、選挙に関する話題が増えているなと感じているので、新しい技術をどう我々がうまく使いながら、アプローチしていくかという事がますます重要になると思います。

こぼれ話ー選挙の投票所ー

高瀬さん)選挙になると、有権者の皆さんは定められた投票所に足を運ばなければいけないですよね。ここに、若い皆さんの(選挙に参加する)ハードルの高さっていうのは絶対あると思うんです。

栗本)投票所ですか?

高瀬さん)はい。期日前にしても市役所に行かないといけない、最近はそれこそショッピングモールなどで投票出来る自治体も増えてきましたが、若い方に更に行って頂く為には、もっと身近な場所で投票できる必要があると考えています。投票所の利便性をもっと上げる事が出来るのではないかなと思いますね。

栗本)どのような工夫ができるとお考えですか。

高瀬さん)私は福岡でも結構田舎の方に住んでいるのですが、やはり期日前だと市役所まで行かないと(投票が)できないんですよ。そうすると、投票に行くハードルがとても高いなと思うんですよね。

栗本)わざわざ選挙の為に出かけようという方は、特に若い方には多くないかもしれません。

高瀬さん)選挙の際にはきちんと本人確認をして、安定性、秘密性を確保していくことが大事になりますが、仮にそれらが上手い具合に確保できるようになれば、コンビニ投票が出来る様になっても良いかもしれません。

栗本)コンビニですか!

高瀬さん)コンビニに簡易投票所を設置できるようにするといった工夫は、もっとありうるのかなと思います。実際には、人員確保の問題等々難しいところはありますけど、個人的にはそう考えています。

こぼれ話ー変わろうとする政治ー

高瀬さん)今回の統一地方選挙で面白いなと思ったのが、選挙カーに対する若者の方の反応というのが結構ネット上に出てきていた事なんです。

栗本)選挙カーは選挙期間中に良くも悪くも話題になる事は多いですよね(笑)

高瀬さん)限られた期間の選挙戦の間、私たちも街の中を回るんですよね。それで「〇〇候補よろしくお願いしまーす!」とずっと連呼して回るわけですけれども、中には「あのうるさいカーを見かけたら、その候補者には絶対(票を)入れない」っていう方が結構いらっしゃって。しかもネット上の記事になっていたんですね。

栗本)その様な内容の記事を見た記憶があります。

高瀬さん)「あーそういうのも変わってきているんだな」って。昔、それこそテレビのない時代などは、唯一の広報手段としての選挙カーの役割があった訳ですよね。ただ、今やテレビや新聞、それこそツイッター等のSNSといった、様々な発信ツールがある時代です。だからこそ、場面によっては選挙カーを使わないことも考えなくてはいけないのかもしれませよね。

栗本)一概に良い悪いで語る事は出来ないものではありますが、あの音を気にされる方は多そうです…。

高瀬さん)記事を読んでいて「あーなるほど」と思ったのが、選挙カーに反対する人たちの中には「自分は夜勤で昼間寝ていて、選挙戦の期間はずっとうるさいカーが回っていて、睡眠妨害される」という方もいらっしゃるという話です。あるいは、選挙カーから「政策」を発信している訳ではなく「候補者の名前」を連呼しているだけなので、選挙カーでは何も分からない、何の意味があるのかというご意見も出ていたんですね(※注:これは公職選挙法上の制限の為)。

栗本)確かに…そういった指摘は頷く部分が多いです。

高瀬さん)選挙カーを使った活動に関して、今の「朝8時から夜の8時まで」という時間制限も、見方によっては長いので短縮する、あるいは病院や学校の周りとかは回らないようにする、色々なことが今後ありうるのかなと。全体を通して、選挙戦のやり方そのものも時代とともに変わっていく必要があるのかなとすごく思いましたね。これは私たちの党だけではなく、各党とも議論していかなければならないと思います。

栗本)時代の流れに合わせて、変えるべきものは変えるという姿勢は大切ですよね。

高瀬さん)今、国会議員の中でも世代間の考え方の違いが結構出てきているんです。私が入っている議員連盟に『パパママ議員連盟』、子育て中のお父さんお母さんの議員の皆さんが超党派で集まって議論しているものがあるんです。

栗本)ご家庭をお持ちの議員さんも沢山いらっしゃいますよね。

高瀬さん)その議員連盟で扱っている内容をご紹介したいんです。これは先程申し上げた、「議員というのが遠い存在である」ということに関係してきます。

栗本)「パパママ」と「議員のなり手」というと、どういった関係性があるのですか?

高瀬さん)議員のなり手が少ない理由の一つに、「議員になったら365日ずっと働いて自分の生活がなくなる」というイメージがあると思うんです。実際、今の多くの若い議員たちは、自身のご家庭や趣味などに関しても、「経験を政策に活かしていこう」と取り組んでいかれている方が多いんです。

栗本)ただ単に「議員としての仕事」のみを頑張るのではなく、議員皆さんの個人としての経験も政策に活かしていくという事ですね。

高瀬さん)例えば朝の(政党などの)勉強会に関して、一番早いものは朝8時スタートなんですね。あるいは夜の勉強会は17時半から18時に終わるんです。私自身、子育てしていて感じることなのですが、子どもを保育園に送った上で8時に集まるとなると、物凄く早く起きたりしなければいけない、逆に夜の時間帯に関しても、17時・18時頃は子どもの迎えなどがあります。仮に、朝の勉強会が例えば9時からになる、あるいは夜の勉強会が18時や19時の時間帯に動くだけで、多分大きく変わるんですよね。

栗本)男性女性問わず、子育てをしながら「朝早く〜」「夕方に〜」という事は、純粋に厳しいですよね。

高瀬さん)そういう例を一つ取っても、今までとは違う多様な背景を持った議員が増えてくる中で、議会のあり方が変わってきているなと感じています。細かい話にはなりますが、議員バッジに関して、今は針タイプなんですけれども、女性議員の中には服に穴が空くというところでマグネットタイプにできないのか、という議論もあるんです。とにかく、様々な面白い動きがあるので、是非注目して頂きたいと思います。

栗本)本日はお忙しい中ありがとうございました。

高瀬)こちらこそありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました