ジェネレーションZが訴求する価値とは:富士ゼロックス-Future Center Challenge2018 に登壇

登壇・発表等

株式会社富士ゼロックスが主催する、Future Center Challenge(FCC)2018に登壇致しました。Future Center Challengeは、『オープン・イノベーションを実行する「場」として』、同時に『企業の変革型リーダーを創出する育成プログラム』として、2014年より開始されました。

Future Center Challenge2018 DAY1に関して

私は、その1日目(8月23日)に登壇させて頂きました。会の冒頭、まずは私自身の活動や経験、あるいはビジョンといったものに関して私見を申し上げました。その後、同様に登壇された、”株式会社革靴をはいた猫”代表取締役の魚見航大さん、”株式会社CRAZY”の小守由希子さん、そして”Socio Forward株式会社”代表取締役で弁護士の水上貴央さんと共に、『これからの社会を担う若者の考え方や価値観、うみだされるであろうオルタナティブ・エコシステムについて』をテーマに、「ジェネレーションZの価値観」をパネルディスカッション形式で探求して参りました。

ジェネレーションZとは、一般的に1990年代後半から2000年代に生まれた世代を表す用語とされています。2035年頃には、ジェネレーションZが社会の中核を担うことから、同世代の思考経路、価値判断の基準、或いは発想といった事柄を、現在の社会の中核を担う世代が理解を深めることが求められるのではないか、という仮説に基づいて会が進行される中、まさにジェネレーションZにあたる私自身の”日常的に重要視する価値”や”思考回路”といったものに関して、(自分自身で)言語化を試みる、もしくは会場から疑問が提起され、自身が客観的に捉え直す経験そのものが、新鮮であった事が言うまでもありません。

同会のプログラム・アドバイザーである多摩大学教授の紺野登さんからは、早くて2019年には、地球全体でジェネレーションZがマジョリティーとなる可能性を基に、ジェネレーションZの価値観を社会全体で理解し、包摂する重要性の指摘がなされました。この様にジェネレーションZの持つ価値観に関して社会的な関心が高まっていること自体、非常に興味深いことであると感じています。

ジェネレーションZが訴求する価値

さて、私はパネルディスカッションを通して、ジェネレーションZが重要視する事柄が3つ明らかになったと考えています。まず「デジタル・アナログを問わず、様々なツールやメディアを使い分ける」、第二に「(環境が整備されさえすれば)議論することを厭わない」そして「自身の経験知を重視する」と言うことです。

・「ツール/メディアの使い分け」

「様々なツールやメディアの使い分け」に関して、もはやジェネレーションZにとって、デジタルとアナログを区別することなく、その場に応じて、最適なツールを選択・使用する事が日常的に行われていると考えられます。メモをする、本を読む、資料を書く・・・ありとあらゆる作業がインターネットとデジタルデバイスによって可能である現在、ジェネレーションZは”デジタル”と”アナログ”を選り好みすることは余りないのではないでしょうか。

スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどといったデバイスは、同世代にとっては『特段珍しいもの』ではなく、文房具の一種の様な感覚で使用していると考えられます(言うまでもなく、私自身もその様な感覚を持っています)。この使い分けは、同世代がSNSや様々なWebサービスを同時並行的に用いるーGoogle Documentで文書を共同編集しつつ、Zoom(Web会議サービス)とSlack(ビジネスチャッティングサービス)でやり取りをするーと、同様な事柄であると言えるでしょう。

・「(環境が整備されさえすれば)議論することを厭わない」

ジェネレーションZ世代は、議論を行うことを厭わない傾向にあると考えています。この際の『議論』とは、’形式張った’、もしくは’既成事実を後付け的に承認する’『会議』と言うイベントではなく、参加者がお互いの価値観や意見を素直に発露し、双方の妥協点を探る行為を表しています。

同時に、議論を行う関係性であったとしても、お互いの存在を究極的に否定をすることはなく、議論の時間が終わりを迎えれば、その参加者双方はすぐさま’通常の’関係性に戻ろうとする(議論を通して人間関係を棄損することを志向しない)傾向があるのではないでしょうか。この、ある意味で「ドライな」議論を厭わない事は、ジェネレーションZの持つ特徴の1つであると言えるでしょう。

・「自身の経験(知)を重視する」

ジェネレーションZ最後の特徴は、自身の経験を重視することであると考えています。この事は、純粋に何かを経験する行為そのものに価値を見出すという意味の他に、何かの行動を行う際に「原体験」というものに強い価値を見出していることを表しています。SNSや様々な媒体を通して、他者の経験を追体験することがより容易になっている現代において、ジェネレーションZはその追体験のみならず、自らが経験することに主眼を置いている様な印象があります。

また、何か行動を起こす際に、例えそれ自体が些細なものであれ、自身の「原体験」に基づいて(それが内包する課題構造などを分析することによって)新たな行動を起こすことを一つの規範的なモデルとしていると指摘することも出来ます。大きな社会課題を「そのまま解決しよう」と試みるのではなく、自身の経験に置き換え(一度内面化することによって)噛み砕くことで、より、実体を持った解決を図ろうとする傾向がある、と換言することも出来るでしょう。

まとめ

ジェネレーションZのもつ価値観というものが、今後更に社会に及ぼす影響は大きくなっていくことは必然と言って過言ではないでしょう。その一方で、ジェネレーションZが持つ価値観と必ずしも一致しない価値観を持つ世代が存在する事も確かです。

時が進むにつれ、それらの価値観同士が、現在よりも大きな形で衝突せざるを得ない状況も容易に想像できます。その衝突をする際に、双方に禍根が残るような衝突の仕方ではなく、双方が妥結し、社会全体に利益をもたらすような価値創造が可能となるよう、私自身、世代間の『架け橋』として行動して行きたい、と改めて感じました。

謝辞

最後に、今回、この様な素晴らしい機会をご提供いただいた富士ゼロックス・KDIの皆様、そして紺野登様に御礼を申しあげます

コメント

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