8月15日に思う:歴史と向き合い、これからの平和を築くには

コラム

今年も終戦記念日を迎えました。ふと、暫く前に亡くなった母方の祖父の手記を読み返します。海軍甲種飛行予科訓練生(甲飛16期)としての海軍電測学校や厚木飛行場における記憶が詳細に綴られています。父方の祖父には北海道・計根別飛行場の建設に勤労動員学徒として携わった経験(根室隊)があります。

この2人の祖父から、昭和前期から戦中、そして戦後の話を聞いた経験は、今の私の根幹を形成しているとしても、決して過言ではないでしょう。

例年通り、靖国神社と千鳥ヶ淵戦没者墓苑にも参拝しました。これまで「8月15日に靖国神社に首相が参拝するか否か」ということは、政局的なトピックとして扱われてきました。靖国神社は明治期に創建された「東京招魂社」を祖とする単立神社であり、その創建当初から、幕末から明治維新にかけての志士、そして西南戦争から太平洋戦争(大東亜戦争)で殉じた軍人や軍属・準軍属の戦没者を祀ることを目的としている様に、国内の他の神社とは異なる建立経緯を持ちます。

ただ、その経緯が如何であれ、靖国神社に多くの戦没者が祀られている事は揺るぎのない事実です。本来であれば靖国神社で、首相をはじめとする公権力の座に就く者が、戦争に殉じた戦没者を慰霊すること、そして国民統合の象徴である天皇陛下が慰霊をお続けになられる意義は非常に重いものがあると考えています。

そして、個人的な意見にはなりますが、千鳥ヶ淵戦没者墓苑をはじめとする追悼施設への関心の低さに危機感を覚えています。千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、日中戦争・太平洋戦争(大東亜戦争)にかけて、国外で亡くなられた戦没者のご遺骨のうち、身元が特定なされなかった等の理由でご遺族に引き渡しが出来なかったご遺骨を安置する施設です。靖国神社のみならず、千鳥ヶ淵戦没者墓苑などの施設にも、私たちは積極的な関心を持つ必要があると感じています。

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