国政政党・会派に聞く!『若者の政治参加』インタビュー2:希望の党・井上一徳衆院議員

取材・対談

Q3 日本における「若者の政治参加・参画」の現状は、既に充分であるとお考えですか。仮に、まだ充分でないとすれば、どのような部分が不足しているとお考えでしょうか。井上議員ご自身のご意見をお聞かせください。

栗本)これまでのお話を振り返ってみますと、若者が政治に参加しやすくする、ハードルを下げる事も重要になってくると思います。井上先生ご自身は、今の若者の政治に対する態度ですとか、あるいは政治参加の状況に関してどういったお考えをお持ちですか。

井上さん)本来であれば、もっともっと若い人が選挙に出て、周りの人達がその人を応援して、当選させて、となって欲しいんだよね。そうであれば、若い人の意見というのは、更に重視されることは間違いない。ただ今は、例えば市議会でも、ある程度の年齢になった人が、「あーじゃあもう第2の人生としてじゃあこの街に貢献しようか」と立候補する場合も多い。

栗本)確かに、若い方の立候補はまだまだ少ないです。

井上さん)そういった場合、立候補する人達を応援する人も、ある程度の年齢である事が多いから、「年配の人の意見を聞いてこのまちづくりもやっていこう」という風になりがちでしょ?

栗本)ありがちな話かもしれませんね…。

井上さん)そうじゃなくて若い人が選挙に出れば、期待くれる人もすごい多いと思うんだよね。「この若い人に将来を託してみたい」と言って一票入れる人は絶対いると思うから、だからそういう意欲を持った若い人が出やすい選挙制度は必要かなと。

栗本)となると、やはり選挙に出にくいというところが現状の最大の問題なのですかね?

井上さん)そういう問題はあるんじゃないですか?出ようとしてもなかなかお金がかかる…。

栗本)供託金の問題もありますし、様々な、非常にこれは繊細な議論になりますけれども、選挙に関する規則・規制の部分も難解です。

井上さん)パッとは分からないからねえ。勉強しないとできないみたいな…。

栗本)細かい話にはなりますが、選挙運動に関する公費負担に関して、例えばチラシに関しては公費負担になるけど、ホームページのサーバー代等は負担にならないといった話もあります。昨今も少しばかり話題になってはいますけれども、インターネットを使った選挙運動に関して、まだ解禁になっていない部分もありますよね…。

井上さん)本当だよねえ。インターネットを使った選挙運動も、SNSはいいけど、(一般有権者による)メールがダメだとかね。聞いていてもわからないよね。

インターネット選挙活動に関して、筆者(栗本)が執筆した記事

栗本)(笑)聞いていてもよくわからない、という事が率直な感想です。

井上さん)そうすると、「あーなんか難しそうだな」となるでしょ?

栗本)そうですね。そういった中で、希望の党の皆さんはYouTubeを相当頻繁に更新されていますよね。特に、松沢代表(松沢成文参議院議員)の『希望の即答』、僕自身もよく視聴しています。

松沢しげふみ代表が皆様からTwitterで事前に集めた質問に時間の許す限りお答えする生番組「 #希望の即答 」。質問はツイッターで「 #希望の即答 」をつけ投稿下さい!公序良俗に反する内容等を除いて、時間の許す限り(Twitterでのご質問優先)お答えします。

希望の党(@kibounotou)
【希望の即答vol.33】今日はラグビーの話題が一番盛り上がりました!【2019.4.18】

井上さん)ありがとうございます。

栗本)非常に画期的で面白い取り組みだなと思っております。今やどの国政政党もSNSの発信は行う様になりましたが、一方的な情報発信に止まっている、少なくとも対話型ではない場合が大半です。一方、「希望の即答」は、対話的で面白いなあと率直に思っています。この様な取り組みは何方かが仕掛けたものなのですか?

井上さん)それはまさに、希望の党のみんなで考えて。国会議員が5人しかいないからねえ。行田さん(行田邦子参議院議員)とかね。

栗本)この様な「対話型」の取り組みがもっと他の政党にも広がっていけばな、希望の党の皆さんのような取り組みがさらに広がればいいなと思っているところです。

Q4.「若者の政治参加・参画」に際して、政党ないしは政党青年部が果たすことが出来る役割は何だとお考えでしょうか。党としての、井上議員ご自身のご見解をお聞かせください。

栗本)政治に関心を持った先には、例えば選挙でボランティアをしたり、あるいは選挙に出たりといった、様々な政治への関わり方があると思います。その際にキーとなるのが政党であったり、ないしは政党青年部といった組織ではないかと考えていますが、井上先生ご自身は、政党や政党青年部はどういった役割を果たし得るとお考えですか?

井上さん)僕はそういう経験がないからね。けれども、「若い人が応援してくれる」というのがあれば良いよね。ただ、18歳19歳だと「政治政治」と何かをやる時間もないだろうし、集まりをやるっていっても難しいところもあるかもしれない。そうであったとしても、僕らのところは、そういった手伝いをしてくれる人がいたらすごい嬉しい、そりゃあ嬉しい。間違いない。

栗本)“希望の党”というと前回の総選挙前後の話、その後の一連の動きもありました。私自身が統治機構や行政に関して学ぶ中で、例えば国民民主党さんとか立憲民主党さんは話題になる事もあります。他方、大変恐縮ではありますが、希望の党が出て来ることは稀なことです。今後どういった形で若者から支持を獲得していくか、何かお考えはお持ちですか?

井上さん)うーん、特に「若者」ということだけで政策を練っている訳ではなく、あらゆる人たちへ、ということでね。逆に何に関心があるのか教えて欲しいくらいだよね。

栗本)若者からの意見が必要だ、と。

井上さん)さっきも言った様に、もっと若い人が出やすい選挙制度にすべきだということは言っているんだけど、他にも「こんなことをやって欲しいんだ」という意見があれば、是非一緒にやりたいぐらいだよ。

栗本)他党の話で恐縮ですが、立憲民主党さんは最近、若者に対して発信を強めておりまして、若者を巻き込んだミーティングも行っています。立憲民主党さんのみならず、様々な政策観を持った政党が取り組む様になれば、より多様な政策の受け皿が実現するのではないかと考えています。

井上さん)なるほどねぇ。

栗本)自民党さんですとか、国民民主党さんの様な大きい政党ではなく、希望の党の皆様だからこそ出来ることがあるのではないかと、不勉強ながら思う所があります。そう言った意味でも、希望の党のYouTubeは非常に私自身感銘を受けています。他にも何かあれば良いなぁと…。

井上さん)例えば『艦隊これくしょん』ってあるでしょ?ゲームのね。

栗本)「艦これ」ですか(笑)

井上さん)僕も最初は、そういったゲームとの付き合い方が正直よく分からなかったんだよ。『艦隊これくしょん』は、旧海軍の艦船を擬人化させたやつでしょ。でも、ある人に誘われて、『艦隊これくしょん』のコスプレをやっている人とお話しする機会があったんだよね。そしたら、すごい真面目だし、勉強熱心なんだよ。あと、『艦これ』の漫画を描いている人にも会ったんだよね。

栗本)『艦これ』の同人誌を描いていらっしゃる方とも。

井上さん)その人は最初『艦これ』を好きになってね。そこから興味が広がって、人間魚雷・回天についても自分で勉強をして、回天の生き残りの人を探して、直接話を聞いたり。慰霊祭の時には実際に行って、そういった自分で描いた漫画の売り上げの一部を募金したり。そういう人もいるんだよね。

栗本)へぇ…。良い意味で凄い広がりですね。

井上さん)入り口はゲームだったんだけど、そのゲームがきっかけとなってすごい勉強して、僕らよりも知識ももっともっとすごいの。だから、政治も同じ様に入り易いきっかけがあれば良いよね。それこそゲームでも漫画でもなんでもいいんだけど、そこから興味関心が広がって、「政治の部分はこうなっているから、なかなかこう上手くいかないんだ」とか、「やりたくてもこうできないんだ」とか考える様になればね。

栗本)おっしゃる通りだと思います。

井上さん)もっと深みを目指して自分で色々勉強するきっかけがあると、すごいいいなと。だからこそ、YouTubeの取り組みとか良いと思うんだよね。

栗本)一個のトピックに集まって議論をする、例えばその場に希望の党の皆様がいらっしゃる、などいう取り組みがあれば、入り口として非常に面白そうですよね。従来、「政党」と「若者」の付き合い方というのは、政党を支持している若者がその政党青年部に関わりを持つという構図が一般的だったかと思いますが、そうでなくとも、「テーマ」をベースにして集まるのは良いかもしれません。

井上さん)学生の集まりにどこどこの政党、ということでやるんではなくて、やっぱり「このテーマについてはみなさんどういう風に考えておられるのですか」といった形でやれば、新聞を読んだ時に発行者によって主張が異なる様なもので、「(テーマに対する意見の)違いから色々勉強してみようかな」というのは出てくるかもしれないね。

栗本)希望の党の皆さんにも何かをやって頂けると、まさに全ての政党に広がっていくのかなと。全体的にそういった方向で動いていけば、同世代でそういったイベントに参加した方々のみならず、その周囲にいる人も「行ってみようかな」「じゃあ私も」ということになると思うので、是非、政治参加という観点からも、取り組みが広まるといいなと私自身が思っています。

Q5 中学校・高等学校における模擬選挙の実施、生徒会活動の活性化、「若者議会」の実施なども進みつつあります。井上議員ご自身が何かご見解をお持ちであれば、お聞かせください。

栗本)最後に、例えば学校における模擬選挙であったり、例えば若者議会のような取り組みを代表例に、学校・地域含めて様々な取り組みが進んでおりますけれども、何か井上先生ご自身のご見解があれば是非。

井上さん)いやいや是非やったら。僕ら自身はもう本当にそこまでの意識とか全然なかったからねえ。素晴らしいよ。まあ、とにかくなんでもやってみることが大事なんじゃないの?

栗本)何でもやってみる、という精神はとても大切だと思います。本日は本当にありがとうございました!

井上さん)こちらこそ、ありがとうございました。


これまでお伝えしてきました通り、今回は井上一徳衆議院議員(希望の党)にインタビューを行いました。尚、インタビュー中の”こぼれ話”を次ページに掲載しております。

次回は高瀬ひろみ参議院議員(公明党)へのインタビューをお伝えします。配信予定日は5月9日を予定しています。

お詫び:前回インタビューで、本稿の配信予定日を5月2日とお伝えしておりましたが、配信が遅延してしまいました。お詫び申し上げます。

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