文部科学省で記者会見を行いました

コラム

1月28日に、日本若者協議会「学校内民主主義を考える検討会議」座長代理として、文部科学省で記者会見を行いました。

本記者会見は、検討会議で約半年にわたって議論を重ねて発出した提言書(外部リンク)を鰐淵洋子文部科学大臣政務官(公明党・衆議院議員)に手交した後に、文部科学省記者会で実施したものです。

個人的な話ですが、2017年5月当時、『日本生徒会機構』代表として、イベント等を企画し提言を取りまとめ、樋口尚也文部科学大臣政務官(当時)や、全国校長協会に対して、提言を手交した(外部リンク)記憶が(懐かしく)蘇ります。

当時の提言は全10項目。以下の通りです。

1. 提言の背景

私たち日本生徒会参加者一同は、生徒会活動に可能性を感じています。それは学校生活の様々な点を生徒の手で自ら変える事ができるからです。そして、日々の生徒会活動を通じて活発にしようと努力を重ねてきました。しかし学校生活をより良いものにしようと活動を行うなかで多くの課題を感じていることもまた事実です

私たちは、全国の高校生の生徒会役員との議論を通じて、上記の課題が全国各地の生徒会に共通する事柄であることを認識しました。本提言書では、私たちが理想とする生徒会像を考え、現状の生徒会を理想の生徒会に近づけるための提言をまとめました。本提言書をもとに、日本全国の生徒会がより活発に活動することができるようになることを望みます。

2. 我々が目指す生徒会

私たちが目指す生徒会は以下の様な生徒会です。

・生徒が主体的に動く生徒会

・生徒の活発な議論を可能にし、生徒目線で学校生活に対する提案を考えられる生徒会

・私たち生徒会が考えた提案を、学校側との適当な協議の上に実現できる生徒会

・生徒会に関することについて、特に反対されたことなどに関して学校側に情報開示を求め、必要があれば学校側と議論の場を持つことができる生徒会

・学校側と対等な立場で話し合いの場を持ち、学校に関する問題について議論し決定に参加できる生徒会

・広範囲の生徒と協力しながら、生徒目線で意見を発信できる生徒会

・発信した意見をもとに大人と対等な立場で議論できる生徒会

3. 提言

私たち日本生徒会参加者一同は、「我々が目指す生徒会」を達成するために以下の項目の実現を提言します。

・学校長・教職員と生徒会との議論及び情報共有の場の設置

・全国的な生徒会組織の設置

・地域ごとの生徒会組織の設置

・地域行政に高校生の声が反映される仕組みの構築

・教職員・生徒に対する生徒会活動への理解をすすめる取り組みの実施

・生徒会の権限の明確化

・生徒会活動に関する全国的な実態調査の実施

・生徒会支援のための取り組み

・ホームルーム運営への生徒会参加の仕組みづくり

・生徒会役員に対するインセンティブの提供

(2017年4月)

今回手交した提言は、その題にもあるように『学校内民主主義』を扱うものです。「学校内民主主義」は、すなわち「生徒会活動」ということではありません。生徒参加の枠組みとしての生徒会活動の活性化はもちろんのこと、教職員やPTA、地域コミュニティなど含めた学校コミュニティ全体を意識したコンセプトが、「学校内民主主義」です。

そうした観点で申し上げれば、今回の提言はその対象が文部科学省・地方自治体/教育委員会・学校設置者と多岐にわたり、前回の提言よりも網羅的な内容となっています。しかしながら、『生徒会活動に関する全国的な実態調査の実施』など、前回の提言・今回の提言に共通する部分も多くあります。

4年前と今を比較すると、生徒会活動に限ってみても、変化がある部分もあります。その代表例に、学習指導要領改訂に伴う「生徒会活動の目的の変化」が挙げられます。指導要領改訂によって、生徒会活動も(少なくとも要領上は『主体的で対話的な深い学び(いわゆるアクティブラーニング)』化していくと言えるでしょう。しかしながら、現場の実践、あるいは現場に携わる人々の生徒会活動に投げかける視線が、要領改訂によって変化しているか、と問われれば、およそ変化はないと答えざるを得ません。

コミュニティや社会に参画し、多様な他者と対話・熟議を行いながら合意形成を図るという能力を培うことは、これからの社会において非常に肝要です。日本における民主主義の発展、という側面はいうまでもありません。同時に、「ルールメイキングを志向」する人々を育むことは、混沌とする世界の中で、国、あるいは企業が重要な位置を確保する下支えとなり、自由で開かれた社会の維持に寄与します。

私自身は、その一丁目一番地こそが、『学校内民主主義の具現化』であると確信しています。今回の提言が(今度こそ)抜本的なテコ入れに繋がることを強く期待しています。

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