これからの「日本の姿」を考える会・第3回

勉強会

去る6月28日に、これからの「日本の姿」を考える会第2回を開催致しました。第2回で決定した方向性にしたがって、今回から数回にわたっては「憲法改正」について取り上げて参ります。

アメリカ憲法との比較で考える「日本国憲法」と「憲法改正」

前回終了時に輪読文献として阿川尚之さんの「憲法改正とは何か―アメリカ改憲史から考える―」を設定し、近代国家における憲法の在り方の範の1つとして、あるいは日本国憲法制定に大きな影響を与えたと考えられる国家の憲法として、アメリカ憲法の制定・改正過程を検討しました。

その上で、前掲書第10章における阿川さんのご提言に基づき、私達が「日本国憲法」や「憲法改正」と如何に向き合うべきか、話を進めて参りました。タイミングよろしく、トランプ・米大統領の日米安保に関する不平等性を提起する発言もあり、『事実上の憲法付属法としての日米安保条約』の話から、96条の評価の在り方、あるいは今日に至るまでの憲法改正を巡る世論形成の流れまで、憲法改正に絡む広範のテーマに関してブレインストーミングを行いました。

「統治機構と自らを切り放そうと試みる」国民と憲法を如何に再接続するか

近現代の国家における憲法との役割とは、(事実・実質の双方の面で)主権者である国民と統治者の関係性について、特に統治者側の権力に抑制をかけることで、主権者の自然権を保護しつつ国家としての統治体系を整備するものであったと言う事ができるでしょう。だからこそ、日本を含めた世界の各国で憲法は『最高法規』として、各国の法体系の頂点に立ち、その改正に際しては、多くの国においては他の法律の改正よりも高いハードルが設けられていると考えられます。

しかしながら、日本においては戦後の長らくにわたって、「憲法」そのものに関する国民的議論の形成は余り多く行われてきませんでしたし、何より「憲法改正」に関する議論がタブー視されてきたことは否定のしようがない事実であると言えるでしょう。しかしながら、憲法96条に「改正」に関する条文が存在し、何より今般の国会においては、いわゆる改憲勢力が衆参両院の3分の2以上の議席を占める情勢となっています。この状況そのものは、改正案に関する国会の発議が可能であるという面から、あるいは改憲勢力に対する一定程度の負託が国民から寄せられているという面から評価されるべきと考えています。従って、国会においては憲法審査会を中心として、憲法改正に係る議論が活発に行われるべきであると考えていますし、何より主権者たる国民が、憲法に関してより高い関心を払い、積極的に世論形成に参画すべきではないかと強く思う次第です。

他方、依然として残存する「憲法改正」をタブー視する風潮や、あるいは特に9条を巡る現実主義と理想主義間の相克に代表されるように、感情的な衝突が多いこともまた事実であります。特に若い世代が、憲法や憲法改正に関する議論を活発に展開していく事ができればと考えています。

今後の方針とお問い合わせ

今後も、文献の輪読やメンバー間の意見交換・議論のみならず、”Boots on the ground”の精神で、実務者の皆様などにも直接話を伺う機会、あるいは様々な要所に赴く機会も積極的に設けていきたいと考えています。

会そのものにご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、本フォームからお問い合わせを頂けますと大変幸いです。また、多くの皆様方にご協力をお願いしていくことになりますが、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

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